会議の進行役(ファシリテーター)をすることも多くなってきたけれど、なかなか思い通りに会議が進まない。
いつも発言力がある人が目立ち、会議では一言も意見を発さない人もいる。
アイデア出し会議や問題解決会議では、立場の違う人達からいろんな意見を聞き出したいのに…。
非効率で無駄な会議をなくしたいけれど、どうすればよいのか。
そんな時には、ファシリテーションの4つのポイントを意識してみましょう。
議題に適したメンバーの選定、場所の選定、時間の管理、話しやすい雰囲気づくりなど、本題に入る前からファシリテーションは始まっています。
議題に対してメンバーから自由な意見を聞き出し、受け止め、時には質問や合意をしながら、その意見に込められた意味を掘り下げていきます。
議題に沿って集まったアイディアをロジカルに整理しながら、採用するアイディアを絞りこんでいきます。ここでは、メンバーに図解などで展開しながら整理をしていく必要があります。整理するメソッドを事前に頭に入れておき、状況によって使い分けができるようにしましょう。
プロジェクトの結果として、どのアイディアを採用するかを合意形成するのはとても重要なステップです。Point3でご紹介したメソッドなどを活用することで、ロジカルに合意形成を進めていくのがオススメです。
ファシリテーターとは、会議などの組織活動において中立的な立場から進行をサポートするファシリテーションという役割を担う者のことです。facilitateという英語には「容易にする」や「促進する」という意味があります。その原義どおり、ファシリテーターは自身では意思決定などに関与せず、会議体のセッティングや進行、グループ参加者が合意形成するプロセスを助ける役割に徹します。
ファシリテーションの歴史には諸説ありますが、1940年代のアメリカで人間関係のトレーニングを行うトレーナーがファシリテーターの役割を担ったことが起源とも言われています。やがて1960年代にかけて体験学習型のワークショップが盛んにおこなわれるようになり、そのトレーナーのことをファシリテーターと呼ぶようになりました。1970年代以降は会議を効率的に行うための進行をサポートする役という側面が注目され、日本においても2000年代以降に主にビジネス分野で脚光を浴びるようになりました。
「会議の場を作る」、「意見を受け止め引き出す」、「意見を整理し絞りこむ(※1) 」、「まとめる(※2) 」などがファシリテーターの主な役割と言えます。それらの役割を果たすためには様々なスキルが必要となります。たとえば、「意見を受け止め引き出す」ためには、個々人の発言意欲を高める、論点や切り口を示して発言への刺激を与えるなどのスキルが必要となります。また、「意見を整理し絞りこむ(※1)」際には、論理的思考を駆使する、論点を細分化して合意のための条件を特定する、情報を視覚化(見える化)するなどのスキルも求められます。
※1 意見を整理し絞りこむ
※2 まとめる
ファシリテーターの心得としては、先入観を持たないこと、ポジティブな発言をすることが挙げられます。ファシリテーターは進行をサポートする役として平等かつ中立的な立場であるため、先入観を持たずに参加者に意見交換してもらえるように働きかける必要があります。より良い意見交換を行うためには参加者に前向きに発言してもらう必要があるため、ファシリテーターもポジティブな言動を心がけましょう。
ファシリテーターには国などが定める公的な資格はありませんが、各種の組織や団体が認定している資格があります。心理学や行動科学をもとにした2日程度のファシリテーション習得プログラムを受講して資格認定となるもの、体験学習型の実習を中心とした4日程度の合宿講座を受けて資格認定となるもの、1日程度の講習を受けて修了証をもらい、その後の試験合格で資格認定となるものなど様々なタイプがあります。
<参考文献(出版年順)>
・加藤雄士「コーチングとファシリテーションの活用に関する一考察 ―組織開発、学習する組織などへの展開―」(産研論集P.65、2014年)
・グロービス(著)・吉田 素文(執筆)「ファシリテーションの教科書 - 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ」(東洋経済新報社、2014年)
ファシリテーションとは、会議などにおいて参加者から意見やアイディアをうまく引き出し、それらをまとめて最終的な合意へと導く役割のことです。具体的には、会議の場の設定から始まり、アイスブレイク(※1)など意見やアイディアを出やすくするムード作り、参加者の話を受け入れて理解すること、議論をまとめて収束させることなどを含みます。ファシリテーションの担当者は、自己の意見を主張することなく、あくまで中立的な立場から会議の進行をサポートすることに主眼を置きます。
ファシリテーションは体験学習などのワークショップを起源とするため、それを学ぶ方法としても、実習をメインにした養成講座や研修などが王道の方法となります。価格は数万円から数十万円、期間は1日から数日と幅があります。これらの講座を修了することで認定資格を与えられるものと、別途試験を受けて資格が付与されるものがあります。また、もっと気軽にファシリテーションを学びたい場合には、セミナー受講、書籍やe-ラーニングでの学習などの方法もあります。これらの方法であれば、費用も数千円から数万円に収まり、入門的な知識を得るのには向いています。
「アイスブレイク(※1) 」、「ブレインストーミング(※2) 」、「バタフライテスト(※3) 」、「ポジショニングマップ(※4) 」などが挙げられます。それ以外にも、参加者の意見やアイディアの整理、分析、絞り込みを行う際には「クリティカルシンキング(批判的思考)」や「ロジカルシンキング(論理的思考)」などの思考法が役立ちます。また、参加者に論点を明確に理解してもらったり、共通認識を促したりするためには「グラフィック・ファシリテーション」などの手法が有効になります。「グラフィック・ファシリテーション」は図形や文字を使い、議論の内容をわかりやすく視覚化する手法です。
ファシリテーションでは議論の可視化と情報整理が重要です。そのためには、アイディアや発言を紙に書いて、貼ったり、はがしたりできるポスト・イット® 強粘着ノートなどのツールが役立ちます。複数の色を使い分けることによって情報の分類ができるだけでなく、ポジショニングマップを作成する際には簡単に位置関係を変えることもできます。また、アイスブレイク(※1)が求められることからも分かるように、ファシリテーションには雰囲気作りも大切な要素です。カラフルなポスト・イット® 強粘着ノートを利用することで自由闊達に意見交換できる雰囲気を演出することができます。
<参考文献(出版年順)>
・加藤雄士「コーチングとファシリテーションの活用に関する一考察 ―組織開発、学習する組織などへの展開―」(産研論集P.65、2014年)
・グロービス(著)・吉田 素文(執筆)「ファシリテーションの教科書 - 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ」(東洋経済新報社、2014年)
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