リクルートマーケティングパートナーズが行う社内コミュニケーションを活性化する会議進行方法~会社ビジョン共有編~

社内新規ビジネスコンテストの参加件数が10倍に!
リクルートマーケティングパートナーズが行う社内コミュニケーションを活性化する会議進行方法~会社ビジョン共有編~

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リクルートマーケティングパートナーズが行う社内コミュニケーションを活性化する会議進行方法~会社ビジョン共有編~

  • リクルートマーケティングパートナーズ(以下、RMP)は、2012年にリクルートが分社化した際に誕生した企業の一つ。「ゼクシィ」や「スタディサプリ」「ケイコとマナブ」「カーセンサー」など、名だたるサービスを展開しています。

    しかし、サービスが多岐に渡ること、また分社化によって生まれたため、設立当初は「会社のビジョンが見えない」「部署を超えた横のつながりがほとんどない」といった課題を抱えていました。

    そこで、2013年に社内コミュニケーションの活性化を目的とした全社的なプロジェクトを発足。今では部署をまたいだ連携が行われたり、新規事業コンテストの件数が増加するなど、大きな成果を上げています。

    具体的にどのような取り組みを行ったのか。同社の“One RMP プロジェクト”の中心メンバー、桑原 史帆さんに詳しくお話を伺いました。
     

  • 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 桑原さん

    株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 桑原さん

  • 社内コミュニケーションを活性化するためには会社のビジョン共有が不可欠

    「分社化当初は、今のサービスがRMPとして一緒になった意味を社員の多くが見い出せていない現状がありました。例えば新卒採用の場面で学生から“リクルートグループの中でRMPはどんな会社なんですか?”と聞かれても、私自身、うまく答えられない状況でした」という桑原さん。

    会社のビジョンが見えず、会社への誇りや愛着が薄い状態だったのが最初の課題でした。そこからどのようにしてRMPは全社員がビジョンを共有し、さらに部署の垣根を超えてチャレンジできる組織へと変貌を遂げられたのか。細かな状況は違っても同様の課題に直面している企業は多いはず。これから、RMPが行った取り組みについてご紹介しましょう。

    RMPが行った取り組み
    1.会社のビジョンを明確にする
    2.会社のビジョンと個人のビジョンをつなげる
    3.会社のビジョンを実現する
    ・アイスブレイク(1):自己紹介・チェックイン
    ・アイスブレイク(2):アイスブレイキング ゲーム(マシュマロチャレンジ)
    ・ストーリーテリング(自己探求)
    ・アイディアソン(アイディア出し)

1. 会社のビジョンを明確にする

  • RMPでは2013年9月、全国にいる1300名もの社員を一同に集め、ひとりひとりが自分のビジョンについて考えそれを全社で共有するイベント「シェアド・ビジョン」を開催しました。

    主催したのは全社横断の“ビジョンPJT”。今の“OneRMP PJT”の前身となるプロジェクトです。シェアド・ビジョンでは部署も肩書も異なるメンバーが二人一組になり、これまでの人生を振り返り、さらにどんな未来を描きたいのか、インタビュー形式で聞き出すというワークを実施。インタビューの後には、「2020年に実現したい未来」の絵をひとりひとり描きました。

    後日、イベントで集まった全社員の「2020年に実現したい未来」の1300枚の絵を解析。共通する想いやキーワードをあぶり出しながら、「しあわせの総量を増やし、人生に拍手の機会と量を増やしていく」というRMPのビジョンを紡いでいきました。

  • RMPのオフィスには常にポスト・イット® 強粘着ノートとペンが置いてあり、いつでも取って使えるようになっている

    RMPのオフィスには常にポスト・イット® 強粘着ノートとペンが置いてあり、いつでも取って使えるようになっている

  • もちろん、このようなイベントを一回行うだけで全社員の意識がガラッと変わることはありませんが、「社員が“何やら会社が本気だぞ、何だか変わろうとしている”という空気感みたいなものを感じ取ることができたのではないかと思います。」(桑原さん)。

    なお、「こういったイベントには欠かせない」と桑原さんが語るのが3Mのポスト・イット® 強粘着ノート。常に12色のカラーペンとセットで用意しておくそうです。「ポスト・イット® 強粘着ノートがあれば、肩書きなど関係なく、意見を出しやすい。また、色とりどりのカラフルなふせんがあるだけで“多様性の許容”“違う意見を受け入れるといった空気感”を作ることができるので色のバリエーションはすごく大事」とその魅力を語ります。
     

  • 参加者は、紙、ポスト・イット® 強粘着ノートに想いを書き出していく

    参加者は、紙、ポスト・イット® 強粘着ノートに想いを書き出していく

2. 会社のビジョンと個人のビジョンをつなげる

  • ないと絵に描いた餅になってしまう。続いてRMPが行ったのが、策定した会社のビジョンと社員一人ひとりのビジョンをつなげる「シェアド・リビジョン」という取り組み。

    この取り組みはビジョン策定後から3年間、継続的に実施されている。「例えば、“人生に拍手の機会と量を増やしていく”とはどういうことなのか?これまでRMPはどのような“拍手”を増やしてきたのか?など意味の探求を行っていきました」と桑原さん。各グループ、日々一緒に働く仲間たちと定期的に考えたり、自分自身が振り返ったりするような場を作っていたそうです。

    ちなみにこのようなPJTの取り組みを推進する際は「デザイン思考のように、仮説、実行、改善を繰り返しながら進めている」とのこと。「組織変革を進める上で大切にしているのは、まずプロトタイプで実行してみて振り返ってまた次の手を打っていく。失敗を失敗としてではなく改善のヒントとしてとらえ、どうすれば良くなるかを常に考えて進めることが大事だと考えています」と桑原さんは語ります。と考えています」と桑原さんは語ります。
     

  • 会社のビジョンと個人のビジョンをつなげるときのポイント:社員の意識調査を行う

    このようなイベントや取り組みは実施するだけではなく、その効果をきちんと確かめることも大切です。RMPでは年に一回、意識調査を実施。「会社のビジョンに共感しているか」「自分自身のビジョンは明確か」「自分のビジョンはこの会社で実現できると思うか」など、個人のビジョンと会社のビジョンのエンゲージメントを計測し、振り返りを行っています。

    「この数年で、全指標のスコアがアップ。今では社員の口から“RMPは社会に拍手の機会と量を増やすための会社である”という言葉が出てくるようになりました」。桑原さんは意識調査の結果だけでなく、会社の空気が明らかに変わったことを肌で感じています。

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