イノーバは自社で開発したマーケティングオートメーションツール「Cloud CMO(クラウド・シーエムオー)」や、約1,500名にも及ぶライター・編集者のネットワークを活用し、オウンドメディアの制作など、コンテンツマーケティングのサービスを提供している企業です。2011年に設立して以降、既に導入実績が260社以上に及ぶなど豊富な実績を持ち、導入企業からも高い評価を得ています。
そのイノーバは近ごろ、「会議の方法を大きく変え、職場の活性化に成功した企業」としても知られるようになっています。そもそもなぜ会議の方法を変えようと思ったのか、また実際に会議をどう変えて、どのような成果が得られたのか、代表取締役社長 CEOの宗像 淳さんに詳しくお話を伺いました。
株式会社イノーバ 代表取締役社長 CEO 宗像さん
「会社が急速に成長し、どんどんメンバーが増えていく中で、組織の在り方を模索していた」という宗像さん。そんな時にたまたまベンチャーキャピタルから紹介されたのが、ガリバーインターナショナル(現IDOM)の創業メンバーで、現在は数多くのベンチャー企業を支援している吉田 行宏さんです。吉田さんの「モノを作らない会社にとって、会議は競争の源泉」という考えに「会議の重要性をあらためて認識した」という宗像さん。吉田さんの協力のもと2016年の5月から会議スタイルの変革に積極的に取り組み、わずか半年で既に大きな効果を得ているそうです。
どうすればイノーバのように会議によって仕事の質を上げ、会社を成長させることができるのか。ここからは、宗像さんのインタビュー内容を元に、会議の始め方から順に紹介します。読み解くキーワードは『発散』と『収束』。会議を変えたいけれど何から始めればよいか分からない、会議をもっと実のあるものにしたい、と考えている方はぜひ手順に沿って実践してみましょう。
明日から真似できるイノーバ式会議のステップ
●会議の準備とはじめ方
1.会議のルールを作る
2.課題が出たら48時間以内に会議を開く
3.すぐに会議ができる環境とアイテムを整える
4.主催者は会議のアジェンダを準備する
●会議の進め方
1.会議の概要説明とチェックイン(アイスブレイク)
2.全員でとにかくアイディアを出す(発散)
3.アイディアを発表する(収束)
4.アイディアを分類し、まとめる
5.次のアクションを決める
●会議の振り返り(議事録・アンケート)
1.会議の議事録をまとめる
2.会議についてアンケートをとる
イノーバでは、会議の基本的なルールとして「イノーバ グランドルール」を設定しました。このようなルールを事前に設定して参加者全員で共有することが第1ステップです。このルール化が誰もが発言しやすい環境を作ることにつながります。宗像さんによると、例えば最初は発言に消極的な人やアイディアが出にくい人も、このルールのもと会議を重ねていけば、次第に積極的に発言できるようになるそうです。
会議の基本的なルールを決めて、参加者全員が尊重するようにしよう
「会議で結論が出ないから、会議をするのが億劫になる」と語る宗像さん。イノーバでは「48時間ルール」を設定し、何か課題が出てきたら48時間以内に必ず会議を開くようにしています。「関係者をさっと集めて、方向性といつまでに誰がそれをやるかという所まで決めると、色々なことがものすごいスピードで進んでいく」。また、「一週間後にもう一回同じことを話し合ったときに、ブラッシュアップされてすごくいいアイディアになる」ことを実感しているとのこと。最初から完璧な会議を開こうとせず、まずは手を付けることが大切というわけです。なお、ここまでスピードを重視する理由には「目の前のことに追われて課題が先送りになってしまうようでは、ベンチャーとして勝っていけない。目指しているゴールにたどり着けない」という思いもあるそうです。
いざ会議となった時に、その都度必要なものを用意するのは非効率。常に社内のどこかで会議が開かれているというイノーバでは、すべての会議室に
・3Mのポスト・イット® 強粘着ノート
・太いペン
・キッチンタイマー
・ホワイトボード
があらかじめ用意されています。ポスト・イット® 強粘着ノートは参加者全員のアイディアを可視化するのに欠かせないアイテム。イノーバではホワイトボードに貼ったあと、並び替えて貼り直すことも多いので、強粘着タイプを使用しています。「ポスト・イット® 強粘着ノートに書くペンは太いほうがいい」と語る宗像さん。書き出したあとでアイディアを発表する際に文字が読みやすいという利点はもちろんのこと、「書いていて気持ちがいいという体感も大切な要素」だそうです。キッチンタイマーは会議中に細かく時間を設定して進行するために使用。誰もが簡単に使えるキッチンタイマーを使っているのもポイントです。
ホワイトボードに貼り付けてもはがれないように、イノーバではポスト・イット® 強粘着ノートを使用している
イノーバでは会議の主催者にアジェンダ作りが義務付けられています。そしてアジェンダを分刻みで組むことで、ダラダラと長い会議になることを防いでいます。事前に準備するのが面倒に感じるかもしれませんが、「あらかじめフォーマットを決めておいて、それに沿って内容を書き込んでいくようにすれば簡単にできます」と宗像さん。参加者には会議の前までにアジェンダをメールで展開。全員がその会議で何をすべきかきちんと意識して参加するため、生産性も劇的に上がるそうです。分刻みで進み、アイディア出しが求められる会議には当然ながらその分、集中力が必要で「会議を終えた後は結構みんなグッタリしていることも多い(笑)」とのこと。それでも、「圧倒的な成果を出せるので会議自体が楽しく、みんな高いテンションで参加している」そうです。
イノーバで用意しているアジェンダのフォーマット。このように必要な内容を共有しておけば、事前準備もどんどん効率化できる
すぐにアイディア出し会議が始められます
個人のお客様
法人のお客様