次は、顧客に提供する価値はどのような体験を通して提案できるのかを考えるフェーズです。そのサービスは、どんな人が日常のどういうタイミングで触れるのか、どのタイミングで見て、どういう頻度で使うのかなど、やや長い時間軸で利用者のことを考えて検討します。いわゆるUX(ユーザー・エクスペリエンス)デザインと呼ばれるアプローチの多くもここに該当します。
「例えば、顧客は家から会社に通う時に毎日同じ道を通っていくのか、それはなぜか、その時に何を見ているのか、電車の乗り換えをどういう風にやっているのかなど、日常のリアリティーを知って、そのリアリティーにこれから作ろうとしているサービスを足していくと、どんな体験であればその人たちに現実的に受け入れてもらえるのかを検討します」(長谷川さん)。
「現状の"AS IS"と、あるべき姿の"TO BE"を描き、そのシナリオを作っていくのがこのアクティビティデザインのフェーズです」(小山田さん)。 シナリオを社内でしっかりと共有するため、このフェーズではカスタマージャーニーマップやペルソナなどを作るケースが多いとのこと。
例えば、ホワイトボードに大きく横軸(時系列)を書き、何がうれしいか、何が苦痛かなど、ユーザーの感情を思いつくだけどんどんポスト・イット® 強粘着ノートに書いて貼っていくことで俯瞰してユーザーの感情を把握できます。さらに、手軽に順番を入れ替えたり、移動したりできるのがポスト・イット® 強粘着ノートの魅力。より深掘りが必要な内容があればグルーピングして、あらためてその内容を分析するといった使い方も可能です。
なお、プロジェクトによってはポスト・イット® 強粘着ノートで作ったカスタマージャーニーマップを撮影したものがそのままクライアントへの納品物になることもあるそうです。
ポスト・イット® イーゼルパッド上に時系列を書き、ユーザーの感情をポスト・イット® 強粘着ノートで書き出したカスタマージャーニーの例
「書くのが苦手な参加者には、"失敗してもいいから書きながら考えよう"と声がけすることも、ファシリテーションしていく我々には必要」と語る小山田さん
例えば、クライアント先でワークショップを行う場合など、常にポスト・イット® 強粘着ノートを貼る場所が確保できるとは限りません。そのような場合、コンセントでは巨大なスチレンボード(発泡スチロール製ボード)を用意。
これをホワイトボードの代わりにして壁などに立てかけて、ここにポスト・イット® 強粘着ノートを貼るそうです。これならポスト・イット® 強粘着ノートを貼り付けたまま重ねて保管しておけて、次のワークショップもすぐに再開できるので、スペースが確保できずに困っている企業におすすめです。
コンセントではポスト・イット® イーゼルパッドも活用しているとのこと。「ホワイトボード代わりに使うのはもちろん、1枚ずつはがして使えるので、例えばワークショップのタイムテーブルを壁に貼ったり、持ち運びが簡単なので動きながら発表したりするときに便利」(佐藤さん)。
ホームセンターなどで売られている巨大なスチレンボードを会議室などの壁に立てかければ、ホワイトボードが無い部屋でもポスト・イット® 強粘着ノートを貼るスペースが確保できる
アクティビティで定まったシナリオに合わせて、いよいよ実際にUI(ユーザーインターフェイス)などを作成していきます。この段階でもコンセントではポスト・イット® 強粘着ノートをフル活用。画面遷移図をメモしたり、ユーザービリティテストで見つかった課題をすぐに書き出して構造化を行ったりするのに使っています。
「コミュニケーションが発生するところではポスト・イット® 強粘着ノートが欠かせない。すぐ書けて、貼り出して、視覚化できるのが良いところ」(長谷川さん)。
なお、コンセントでは、サービスデザインの実績と経験にもとづき、具体的な課題に対して、行動観察、インサイトの獲得からアイディエーションと、具体的なプロトタイプの構築、その利用者評価までを一気通貫で6週間という短期間で行う「コンセント サービスデザインスプリント(※1)」というプログラムも提供しています。
短期間でも具体的にどういうモノが作れて、実際に顧客に受け入れられるのかといったところまで見えるため好評とのこと。コミュニケーションにかかわるコストを抑えられる、短期間でプロトタイプを作成できることで、承認プロセスを簡略化できるといったメリットもあります。今回ご紹介した事業開発の一連の流れをプロトタイピングと考えて、まずは短期間で進めてみるのもおすすめです。
コンセントの会議室にはポスト・イット® 強粘着ノート、太字のペン、ホワイトボードペン、テープ、はさみのセットが必ず置かれており、必要なときにいつでもすぐ使えるようになっている
ポスト・イット® 強粘着ノート、ペンなどが入ったバッグ。クライアントとの急な打ち合わせの際にもサッと持ち出せるよう、常に複数用意されている
・デスクワーク以外でも他人との共有が可能
気づいたことをすぐにメモして他人に共有できるので、デスクワーク以外のシチュエーション(行動観察やユーザーテストの現場)で便利
・膨大な情報でも大人数で議論しやすい
壁に貼ったり位置を動かしたりできるので、大人数で膨大な情報を確認しながら議論する際に便利
・会議するスペースがなくてもその場をミーティングスペースに
広い会議室やスペースがない場合は、イーゼルパッドや巨大なスチレンボードを併用するのがオススメ
組み立てて、テーブルの上に置いて使える
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